慶應義塾大学理工学部物理学科 Department of Physics, Faculty of Science and Technology, KEIO Univ.

研究室紹介

慶應義塾大学理工学部物理学科岡研究室では、我々の銀河系の構造、銀河系中心、活動銀河中心核と巨大ブラックホール、星間物質の進化と星形成などの観測的研究を行っています。そのため小型サブミリ波望遠鏡の開発を進めるとともに、国立天文台45m電波望遠鏡、ASTE望遠鏡、そしてALMAなどの望遠鏡を用いて研究を進めています。
(右:アタカマ高地に設置されたASTE10m望遠鏡)


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研究室テーマ

野辺山45m望遠鏡、ASTE望遠鏡等を用いた銀河系内星間物質の研究

銀河の主要構成要素は星と星間物質であり、星は星間物質が濃密に集まる領域「星間分子雲」の中で誕生します。つまり星の形成過程を解明するためには、星間分子雲の研究が不可欠なのです。また寿命の短い大質量星は、その母胎となった星間分子雲のごく近傍で超新星爆発を起こし、その物理状態や化学組成に甚大な影響を及ぼします。銀河系の円盤部や銀河系中心にある星間分子雲を、国立天文台の野辺山45m電波望遠鏡や南米チリのASTE 10m望遠鏡を用いて観測し、星形成活動を軸とした銀河系内星間物質の輪廻転生について研究しています。


(右:銀河系内星間物質の密度-温度図)
(下:銀河系中心領域の一酸化炭素回転スペクトル線強度分布)



ALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)を用いた銀河系中心核の研究

ALMAは直径12mのアンテナ50台と直径7mの高精度アンテナ16台を、南米チリ・アンデス山中の標高5000mの高原において最大10km四方に配置し、 それらを一つの超高性能な電波望遠鏡として運用する世界最大の電波干渉計計画です。これは国立天文台を代表とする東アジア、 米国国立電波天文台を代表とする北米連合、ヨーロッパ南天天文台を代表とするヨーロッパの国際共同プロジェクトです。 既に初期科学運用が2011年9月から開始されており、2013年から本格運用へと移行する予定です。 これを用いて、銀河系中心での爆発的星形成や中心核への質量供給、そして中心核巨大ブラックホールの形成・進化などの研究を行います。


(右上:順調に建設が進められるALMA。2012/10/08撮影)
(下:銀河系中心に発見された局所的スターバースト領域と埋もれた巨大星団のイメージ図)



小型サブミリ波望遠鏡の開発

銀河系中心核「いて座A*」は、約400万太陽質量の巨大ブラックホールを擁すると考えられています。 巨大ブラックホールは、その強大な重力により周囲の光を曲げて「影」を作ります。 そして「いて座A*」の影は、プラズマ散乱の影響を受けないサブミリ波帯の高分解能撮像観測により検出が可能です。 現在、南米大陸に展開するサブミリ波超長基線干渉計(VLBI)の実現に向けた検討を行っており、 小型のサブミリ波帯受信機、大気透過度測定用のラジオメータ、およびVLBI移動局実験を行う小型望遠鏡の開発を行っています。


(右上:理論計算によるKerrブラックホールの影 ― 苫小牧高専 高橋労太氏提供)
(下:開発中のサブミリ波帯超伝導受信機と微細なミキサー素子を取り扱う設備)



 

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